日本に金融立国のチャンスは毛の程もない

東京を国際的な金融センターに!と言われた事もあった。しかし、これは地方の人が何とか地方を盛り上げようとするのと同じポジショントーク、立場上主張しないといけない主張に過ぎない。
ロンドンやシンガポール、かつての香港といった国際的な金融センターの成立理由を考えればすぐ分かる事だ。

端的に言うと、日本の近くの国、例えば韓国の企業が株式市場から投資を受けたいと思ったら、どこに上場しますか。韓国の株式市場でしょう。

一方で、東南アジアや東欧の国だと自国の株式市場ではなく、シンガポールやロンドンの市場で投資を受ける。それらの国では金融企業が立地するには不便だったり、危険だったりするからだ。

要するに、「国際的な金融センター」というのは、周りの未発達な国の代わりに金融市場を設置したものだが、日本の周りにはそのような未発達な国は存在せず、そのため日本に国際的な金融センターになるチャンスは無い。

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「日本の地方」については、新しく出てきた産業であるIT系の産業が、土地を必要としない以上、それらの産業は「容易に帰省できる範囲内でNO.1の都市」(東京・福岡・札幌)に集積するのが必然。
そのため、残念ながら、その他の都市は、IT系産業の恩恵を受けれるその3都市より不利になってしまうのだった。